結論からお伝えします。横向きで寝ていて肩が痛くなる方が見るべきなのは、マットレスの硬さそのものではなく、その硬さがどの範囲・構造で設定されているかです。
横向きになると、体への負荷が肩と腰に集中し、仰向けのように背中全体で支えることができません。そのため、肩まわりが沈みすぎたり、反対に十分に沈まず圧迫されたりします。
全体が同じ硬さのマットレスでは、この状況に対応しにくくなります。肩に合わせて柔らかくすると腰が沈み、腰に合わせて硬くすると肩が当たってしまうためです。
ただし、その前に確認しておきたいことがあります。マットレスを買い替えなくても済む場合があるからです。
買い替える前に確かめる3つのこと
1 横向きのときの枕の高さ
意外に思われるかもしれませんが、まずはここを疑ってみましょう。
横向きで寝る場合は、仰向けより高めの枕が必要になります。肩幅のぶん、頭と敷き面の距離が離れるためです。仰向けで合っている枕は、横向きでは低すぎることが多くなります。
枕が低いと、頭が下がって首が曲がり、下側の肩に体重が余計にかかります。肩が痛い原因は、マットレスではなく枕にあるのかもしれません。
確かめ方は簡単です。横向きに寝て、首から背骨までがまっすぐかを見てもらいましょう。一人で確認する場合は、スマートフォンを固定して撮影すると分かりやすくなります。頭が下がっていれば、枕が低いということです。
畳んだタオルを枕の下に足して、数日試してみるとよいでしょう。この方法なら費用はかかりません。
2 いま使っているマットレスがへたっていないか
マットレスは毎日体重を受けているため、少しずつ潰れていきます。特に、体重が集中する部分からへたりやすくなります。
確かめ方はこうです。マットレスの上に何も乗せず、真横から見てみましょう。腰やお尻が当たる位置だけが明らかに低くなっていれば、その部分がへたっています。
分かりにくい場合は、腰の位置と足元の位置に定規を立てて、高さを比べてみてください。
なお、体型によって沈み方は変わります。私自身、筋トレをしているぶんお尻が張っていて、仰向けでも腰まわりが若干沈みます。体の厚みがある部分が沈むのは、どの姿勢でも起きることです。へたりと体型による沈み込みは見分けにくいため、判断に迷うようであれば、体格の違う人に同じ場所で寝てもらって比べると分かりやすくなります。
3 上に敷いているものが邪魔していないか
マットレスの上に、敷きパッドやベッドパッド、薄いマットレスなどを重ねていないでしょうか。
重ねたものが硬いと、下のマットレスの働きが打ち消されてしまいます。部位ごとに硬さが違う作りのマットレスであっても、上に硬いものを一枚敷けば、その差は感じにくくなります。
一度、上に敷いているものを取り除いて、数日寝てみましょう。それだけで寝心地が変わることもあります。
ここまでの3つを試しても合わなかった場合は、マットレス本体を見直す段階に入ります。
選び方の基準は3つだけ
基準1 硬さがどの範囲で設定されているか
マットレス選びで最も大切な基準です。
横向きで肩が痛い方にとって、「硬い・柔らかい」という言い方では大まかすぎます。知りたいのは、肩が当たる部分がどのように支えられるかだからです。
マットレスの作りは、大きく次の4つに分けられます。
部位ごとに硬さが変わる作り。肩の位置、腰の位置、足の位置で硬さを変えてあります。横向きで肩だけを沈ませたい場合に向いています。ただし、自分の肩の位置とマットレスのゾーンの位置が合うとは限らず、身長によってずれることがあります。
上下の層で受け止める作り。上の層を柔らかく、下の層を硬くしてあります。柔らかい上層が肩を受け止め、沈みすぎるのを下の層が支える仕組みです。ゾーンのずれが起きない点が利点になります。
全体の硬さを自分で選ぶ作り。買うときに硬さを選べます。体重に合わせられますが、部位ごとの違いは作れません。
全体の硬さが決まっている作り。硬さは選べません。合う方には合いますが、合わなければ調整の余地がありません。
先に挙げた作りほど、肩まわりを個別に支えやすくなります。横向き寝で肩に負担がかかりやすい方は、上の2つを目安に選ぶとよいでしょう。
基準2 横向きで背骨がまっすぐか
いま使っているマットレスが自分に合っているかを確かめる方法があります。腰が気になる人のマットレス選びでは仰向けで腰に手のひらを差し込む方法を紹介しましたが、横向きでは見るところが違います。
横向きに寝て、首から背骨、腰までが床と平行にまっすぐかを見てみましょう。一人では見えないため、スマートフォンを固定して撮影するか、家族に見てもらうとよいでしょう。
- まっすぐ 合っている
- 肩が沈んで、腰が上がっている 肩まわりが柔らかすぎる
- 肩が浮いて、体が反っている 肩まわりが硬すぎる
もう1つ、簡単な目安があります。下側の腕がしびれる、朝起きて肩が押されたような感じがあるという場合は、肩まわりが十分に沈まず、圧迫されている可能性があります。
ただし、しびれが毎日のように続く場合は、寝具の問題ではない可能性もあります。その場合は医療機関にご相談ください。
基準3 敷き方と手入れ
床に直接敷くつもりであれば、メーカーが床置きしてよいと明記しているかを確認してみましょう。書かれていない場合は、床置きが想定されていないということです。
私は、すのこの上に敷いています。床に直接敷いていたころと比べて、カビが生えなくなりました。マットレスの下に空気が通るかどうかは、寝心地とは別に、長く使ううえで重要です。
厚みのあるマットレスは干すのが大変です。下から空気が通る置き方をするか、三つ折りにできるものを選ぶかを、あらかじめ考えておくとよいでしょう。
3製品の比較
以下の数値は、各メーカーが公式に公表している値です。2026年8月19日に確認しました。価格や仕様は変更される場合がありますので、買う前に必ず公式サイトでご確認ください。
この3製品はいずれも私自身が使ったものではありません。私が実際に確かめたのは、この記事の前半に書いた自分の寝具についてだけです。
基本の情報
| 製品名 | 価格 | 硬さの決まり方 | 素材 |
|---|---|---|---|
| 快眠タイムズ マットレス3.0 | 55,000円(税込) | 部位ごとに変わる | ウレタンフォーム3層(側生地はテンセル) |
| LIMNE the Mattress スフエアーモデル | 79,900円(税込) | 上下の層で受け止める | ウレタン3層 |
| 高反発マットレス モットン | 39,800円(税込) | 全体を3つから選ぶ | ウレタンフォーム |
試せる条件
| 製品名 | 硬さの表記 | 床に直接敷けるか | 試せる期間 |
|---|---|---|---|
| 快眠タイムズ マットレス3.0 | 公式に記載なし | 可 | 100日(返送料は同社負担) |
| LIMNE the Mattress スフエアーモデル | 上25N・中120N・下140N | 公式に記載なし | 120日(返品送料・手数料なし) |
| 高反発マットレス モットン | 140N・170N・280Nから選ぶ | 可 | 90日後に2週間 |
ここから先は広告です。表と同じ並び順で、3製品の公式ページへの案内を並べます。価格と条件は必ず公式サイトでご確認ください。
なお、モットンには1,000円分のクーポンコードがあります。購入時の申し込みフォームに「mottonpso」と入力すると割引が適用されます。有効期限はありません。
製品ごとの解説
快眠タイムズ マットレス3.0
部位ごとに硬さが変わる作りです。3製品で唯一、公式に横向き寝についての記載があり、「横向きで寝ると肩が痛い」という悩みに対応しています。
試せる期間は100日で、返送料もメーカー負担です。合わなかったときの負担が小さく済みます。床に直接敷いてよいことも明記されており、保証は5年です。
注意点は、硬さの数値が公式に公開されていないことです。何ニュートンかが分からないため、数字で比べたい方には物足りないかもしれません。
もう1つ、部位ごとに硬さが変わる作りは、自分の肩の位置とゾーンの位置が合うかどうかで感じ方が変わります。身長によってずれることがあるためです。肩の位置とゾーンの対応については、公式サイトにも記載がないため、試せる期間のうちに自分で確かめる必要があります。
なお、試用の制度は変わります。旧モデルは60日で、返送料も必要でした。買う前に必ず公式サイトでご確認ください。
LIMNE the Mattress スフエアーモデル
上下の層で受け止める作りです。上の層が25N、中が120N、下が140Nとなっており、柔らかい上層が肩を受け止め、沈みすぎるのを下の層が支える仕組みになっています。
部位ごとのゾーンではないため、身長によるずれが起きません。この点は、快眠タイムズと比較した際の利点です。数値も公開されているので比べやすく、試せる期間は120日、返品送料も事務手数料もかからないと公式に書かれています。品質保証は10年です。
注意点は、床に直接敷いてよいかが公式に記載されていないことです。他の2製品は「可」と明記があるため、床に直接敷けるかどうかについては、公式情報から確認できません。ベッドフレームで使うつもりであれば問題にはならないでしょう。横向き寝についての記載も、公式ページにありません。なお、3製品のなかで最も価格が高い製品です。
また、同じブランドでも枕は返金保証の対象外で、マットレスは対象となっています。品目によって制度が違いますので、買う前にご確認ください。
高反発マットレス モットン
全体の硬さを、買うときに3つから選べます。140N、170N、280Nの3種類で、体重の目安も公式に示されています。3製品のなかで最も安い製品です。
ただし、部位ごとの違いは作れません。全体が同じ硬さになるため、横向き寝で肩への圧迫を減らしたい方には、やや対応しにくい面があります。なお、横向き寝についての記載は、公式ページにありません。
一方で、体重に対して硬さが合っていないことが原因であれば、この製品で寝心地が変わる場合もあります。「そもそも自分の体重に合った硬さを使っていない」という状態は珍しくありません。まずは基本を合わせたい方に向いています。
90日使ったうえで返金を申し込めます。床に直接敷いてよいと明記されています。交換は配送手数料4,500円で1回のみとなっており、交換すると返金保証の対象から外れる点にはご注意ください。
よくある質問
以下では、横向き寝と肩の痛みについてよくある質問に回答します。
Q 横向きで寝ると肩が痛くなります。マットレスが原因ですか
マットレスが原因のこともありますが、枕の高さが原因の場合もあります。横向きは仰向けより高めの枕が必要になるためです。枕が低いと頭が下がり、下側の肩に体重が余計にかかります。まずは枕を疑ってみましょう。
Q 肩こりには硬いマットレスと柔らかいマットレス、どちらがよいですか
どちらともいえません。横向きで肩が痛い場合に必要なのは、肩まわりだけが沈むことです。全体を柔らかくすると腰まで沈み、全体を硬くすると肩が当たってしまいます。硬さの数字より、その硬さが部位ごとに設定されているかを見るようにしましょう。
Q 横向きで寝るのはよくないのですか
寝方そのものに良し悪しはありません。問題は、その寝方に寝具が合っているかどうかです。横向きが楽であれば横向きで構いませんので、それに合う寝具を選べばよいでしょう。
Q マットレスの上に敷きパッドを重ねてもよいですか
重ねること自体は構いませんが、硬いものを重ねると下のマットレスの働きが打ち消されます。とくに部位ごとに硬さが違う作りのマットレスでは、その差が感じにくくなります。一度取り除いて試してみましょう。
Q 何ニュートンを選べばよいですか
体重によって変わります。ただしニュートン値を公開していない製品もあるため、数字だけで選べるとは限りません。数字が分からない製品については、試用期間の長さを基準に選ぶ方法もあります。
まとめ
- 横向きで肩が痛いなら、まず枕の高さ、マットレスのへたり、上に敷いているものを確かめる
- 選ぶときに見るのは硬さの数字ではなく、その硬さがどの範囲・構造で設定されているか
- 肩まわりを個別に支えられる作りかどうかが、横向き寝の悩みに対応しやすい
- 合っているかは、横向きで背骨がまっすぐかどうかで確かめる。スマートフォンで撮影すると分かりやすい
腕や手にしびれをともなう場合や、痛みが長く続く場合は、寝具の問題ではない可能性があります。医療機関にご相談ください。
ここから先は広告です。今回比較した3製品の中では、快眠タイムズ マットレス3.0が最も条件に合っています。3製品で唯一、公式に横向き寝についての記載があり、部位ごとに硬さが変わる作りで肩まわりを個別に支えられるためです。試せる期間が100日あり、返送料もメーカー負担ですので、合わなかったときの負担も小さく済みます。
ただし、推す立場であっても弱点は書いておきます。硬さの数値が公式に公開されていません。何ニュートンかが分からないため、数字で比べたい方には向きません。もう1つ、部位ごとのゾーンの位置は身長によってずれます。自分の肩がどのゾーンに当たるかは公式に書かれていないため、試せる100日のうちにご自身で確かめてみてください。



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